発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001266415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
59歳男.車にはねられ外傷後,搬送された.全身疼痛強く,体動,起立は不能であった.単純X線,CT所見では,右股関節に恥骨上前方脱臼,左股関節に後方脱臼骨折,右仙腸関節に脱臼骨折を認めた.合併損傷として,出血性ショック,左血胸,多発肋骨骨折,左鎖骨骨折を認めた.全身状態の安定を図り,受傷3時間後に両股関節脱臼の徒手整復を行い,整復後,両大腿骨遠位部より直達牽引を行った.骨盤輪骨折に対しては,受傷3日後に観血的整復固定術を行った.術後8週間介達牽引を施行し,以後右下肢に短下肢装具を装着し部分体重負荷を開始した.術後1年4ヵ月のX線像にて骨癒合良好で,大腿骨頭壊死や変形性股関節症はみられず,術後2年の現在,右短下肢装具にて独歩可能である
©Nankodo Co., Ltd., 2001