発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001244373
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症例は75歳女で,主訴は左股関節痛で,以前右人工股関節全置換術(THA)を受けている.自宅で転倒して主訴を生じ歩行不能となった.単純X線及びCTで骨頭の前上方脱臼を認め,臼蓋前壁骨折と粉砕骨片が存在し更に下前腸骨棘骨折も認められた.以上から臼蓋骨折を伴う股関節前方臼上脱臼と診断した観血的整復固定術を行った.骨頭・臼蓋軟骨は正常であったが骨頭は中間位,軽度外旋位で容易に前方脱臼した.微小骨片を除去と骨頭整復後にスクリュー2本で固定した.3週間の鋼線牽引施行後,ROM訓練,筋力訓練を行った.受傷後12ヵ月の現在,左股関節の可動域は正常で,疼痛もなく日常生活は受傷前に回復した
©Nankodo Co., Ltd., 2001