発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003072497
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4歳11ヵ月男児.軽微な外力で発生した小児外傷性股関節脱臼の1例を報告した.4人のり腰掛けブランコに乗って遊んでいて,ブランコの勢いを止めようとしてつなぎ板を左足で踏み込んだ際,左股関節痛が生じ,歩行不能となった.初診時,左股関節は屈曲・内転・内旋位をとり,自動運動は不能であった.また,MRI検査,および単純X線像では,左大腿骨頭は臼蓋後上方に脱臼していたが,臼蓋,大腿骨頭に骨折は認められなかった.受傷後約4時間経過時に徒手整復を行い,受傷後10日目から荷重歩行を開始し,翌日には歩行可能となった.受傷後7ヵ月が経過したが,経過は良好である.この症例はブランコのすすむ方向に抗してつなぎ板を踏み込み,ブランコの動力が膝関節で吸収されることなく直接的に股関節に伝わったため,骨頭の後方脱臼が起きたと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002