経験と考察
術前に高度の麻痺を呈した胸椎黄色靱帯骨化症の手術成績にかかわる因子の検討 急性発症・急速進行例は改善が期待できる
仲田 紀彦
1
,
侭田 敏且
,
川崎 洋介
,
栗本 久嗣
,
早坂 豪
1地域医療機能推進機構東京山手メディカルセンター 脊椎脊髄外科
キーワード:
胸椎
,
MRI
,
脊髄造影
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
治療成績
,
黄色靱帯骨化症
,
徒手筋力テスト
Keyword:
Laminectomy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Myelography
,
Thoracic Vertebrae
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
pp.107-112
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016165678
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胸椎黄色靱帯骨化症(OLF)に対して手術治療を行った症例のうち、術前JOAスコアが5点未満の19例を対象に、術後改善率に関与する因子について検討した。その結果、麻痺症状発症後、急速に麻痺が進行し8週以内に手術を施行した5例の術後1年以内および最終観察時の改善率はそれぞれ平均82.8%、87.2%で、術前罹病期間が8週間を超えた14例の平均41.8%、45.5%と比較し有意に良好であった。麻痺症状発症後、急速に麻痺が進行した5例の共通因子として、年齢、OLF発生高位によらず、CT矢状断再構成像で片側もしくは両側の脊柱管内占拠率が50%を超えるOLFによる脊柱管占拠が挙げられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016