発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003099140
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83歳女.階段で転落受傷し,救急来院した.頭部,両上肢,体幹部に強い疼痛があったが,神経学的異常所見は認めなかった.Th8~L4まで前縦靱帯骨化による連続,後彎変形,椎間板腔の狭小化を認め,強直性脊椎骨増殖症(ASH)のX線所見であった.床上安静にて経過観察していたが,入院4日目に両下肢完全運動麻痺,臍部以下の知覚鈍麻が出現した.膝蓋健反射は低下し,足クローヌスは陽性となった.脊髄造影検査でTh8は椎体が圧潰し頭側が後方へ転位し,Th8レベルで完全ブロックを呈していた.緊急手術を行った.翌日より徐々に下肢麻痺は改善した.骨折部の安定性を得るためにTh3~L1まで後方固定術を行った.下肢の麻痺症状は改善したが,膀胱直腸障害は改善しなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2002