発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004015999
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
10歳女.主訴は側彎,右膝屈曲拘縮.生後まもなく先天性多発性関節拘縮症と診断され,生後8ヵ月で既に多関節拘縮と側彎症を認めていた.7歳時迄に右膝蓋骨恒久性脱臼,右足関節拘縮,右母指中手指節(MCP)関節拘縮,右示指近位指節間(PIP)関節拘縮,左手関節拘縮に対し多数回手術が行われていた.側彎症には経過観察のみがなされていたが,10歳時に側彎の高度進行を認めた.右第4肋骨床開胸にて胸椎前方解離骨切り術(Th3~Th9)を施行し,術後より直達牽引を行いCobb角は65°に減少した.次いで,ISOLA systemを用い,後方矯正固定術(Th1~L1)を施行した.矯正固定術後のX線像で,Cobb角は34°に改善し,側面像でも体幹の前傾が改善した.右膝関節拘縮に対し後方解離術とIlizarov創外固定器を用いた拘縮除去を追加し,全体的に側面バランスのさらなる改善が得られた.これにより歩容が改善し,歩行距離も200m以上と著しく改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2003