発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002132364
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53歳男.発熱と背部痛を主訴とした.糖尿病と肝障害の既往がある.胆嚢炎として抗生物質の投与を受けるも改善せず,胸部CTにより胸椎周囲に異常陰影を指摘された.胸椎の運動は有痛性に制限され,疼痛による歩行困難があり,第8胸椎棘突起に叩打痛,同部傍脊柱筋に圧痛を認め,胸部CT及びMRIにより膿瘍と思われる陰影を認めた.血液検査では炎症所見を認め,化膿性脊椎炎と診断し抗生物質の他,抗結核薬や抗真菌薬等も併用し,約1ヵ月の化学療法により症状は軽快し退院し,外来通院にて抗生物質を継続投与したが,退院約2週間後で背部痛が再発し,再入院となった.再入院でのMRIにより第8-9椎体が一塊として認められ,椎体周囲の軟部異常陰影が拡大し,脊椎管の狭窄,脊髄の軽度圧迫を認めた.抗生物質の投与で軽快し,前方より病巣郭清・除圧固定術を施行し,術後は一過性の炎症反応の悪化を認めたが,症状は速やかに改善し,CT,MRI所見も改善した.前方手術の約2ヵ月目に後方より脊柱固定術を施行し,術後約1ヵ月で無症状にて退院した
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