発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048433
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化膿性脊髄炎に対して1992年1月~2000年12月の間に治療した15例(A群;男性12例・女性3例,平均63.7歳)と2001年1月~2002年12月の間に治療した19例(B群;男性11例・女性8例,64.3歳)について比較検討した.その結果,化膿性脊髄炎の年間発生数はA群の1.64例に対しB群は9.5例と急増しており,B群では女性の割合が高かった.合併症としてはA群で糖尿病が3例,B群で糖尿病が3例・関節リウマチが3例みられ,40~50歳代で特に合併症なく発症した症例がA群で男性3例に,B群で男性3例・女性1例にみられた.発生部位はA群では胸椎4例・腰椎10例・頸椎腰椎同時発生1例で,B群では頸椎4例・胸椎1例・腰椎14例と頸椎例が増加していた.外科的治療法はA群では前方固定術・後方固定術各3例,椎弓切除術1例に,B群では前方固定術1例・椎弓切除術3例・腸腰筋排膿術が1例に施行された.臨床症状の発生経過は両群とも急性型が多かった.以上より,化膿性脊髄炎は臨床経過が多彩で診断が非常に困難であった
©Nankodo Co., Ltd., 2003