発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002062243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
65歳女.不明熱,頸部痛の後に腰痛が出現した.頸椎単純X線でC4-C5椎体終板の骨破壊像と局所後彎変形を認め,MRIではT1強調像低信号,T2強調像やや高信号,Gd造影で軽度造影効果を認めた.腰椎単純X線ではL5椎体前下縁の骨融解像を認め,MRIのT1強調像でL5-S1椎体は全体に低信号,T2強調像ではL5/S1椎間板は高信号を呈したが,椎体はやや不均一な低信号であった.Gd造影ではL5-S1椎体終板及び前方部分に造影効果を認めた.更に軽度の硬膜外膿瘍と考えられる硬膜の圧排像を認めた.化膿性脊椎炎と診断し,炎症所見は入院後投与されたパンスポリンとクラリスが奏効しており,麻痺もなかったことより保存的療法を選択した.その後体温は正常化し,腰椎もほぼ消失した.頸椎に対してはハローベスト及び頸椎カラーを,腰椎には軟性コルセットを装着した.発症後1年で単純X線上C4-C5は癒合し,L5前下縁は骨硬化像を呈してきており,軽度の腰痛のみで日常生活に支障はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001