発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001197746
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60歳男.側溝に左足を突っ込み,受傷した.左膝は軽度外反し,内側関節裂隙に一致して皮膚陥凹を認めた.X線像ではけい骨の後外方亜脱臼,膝蓋骨の下方移動を認めた.ストレスX線像では前・後十字靭帯,内側側副靭帯の不安定性を認め,内外ストレス像では内側関節裂隙の狭小化が起こらなかった.徒手整復を試みたが不能で,手術した.大腿骨内顆は前内方に突出し,内側支持機構は顆間窩に嵌頓していた.断裂した内側側副靭帯・関節包・内側膝蓋支帯,骨片を引き出し,整復した.内側側副靭帯を骨片とともに大腿骨内顆付着部に骨孔を通して縫着し,さらに関節包,内側膝蓋支帯を縫着した.後十字靭帯は大腿骨付着部で完全断裂していたが,修復しなかった.術後2ヵ月で大腿骨内顆の剥離骨片は骨癒合した.術後3ヵ月のストレス像では内・外反不安定性はないが,後方不安定性が残存していた.術後1年現在,左膝関節痛なく,就労中である
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