発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001195243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
50歳男.約1.8mの高さから飛び降りた際に右下腿後面に疼痛が出現し,アキレス腱断裂と診断された.単純X線側面像では右側アキレス腱体部に6×4mm大の,付着部には約20×4mm大の骨化様陰影を認めた.左側アキレス腱付着部にも骨化様陰影を認めた.カルシウム代謝や血液学的な異常はなかった.受傷後8日目に手術した.右アキレス腱は筋腱移行部やや遠位での完全断裂であった.近位の骨化様部は,近位断端の内側部で断裂した線維内に埋もれていた.腱組織とともに骨化様部を摘出,縫合した.病理組織所見より骨化を伴ったアキレス腱断裂と診断した.術後1年半が経過し,足関節の可動域制限や疼痛はないが,単純X線側面像では踵骨付着部の骨化は約40×5mm大へと増大し,反対側にも同程度の増大を認めている.職業上ブーツ型安全靴を日常的にはいていることから,ブーツによる腱体部への慢性刺激が誘因となり,骨化をきたしたと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2001