発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017392298
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68歳男性。2型進行胃癌に対する胃全摘術後3年10ヵ月に右股関節部の皮下腫瘤、右大腿部痛が出現し、精査加療目的で近医より紹介となった。造影CTでは右大腿直筋内に内部が不均一に造影される辺縁不整な65×45mm大の腫瘤性病変が認められた。MRIでは腫瘤はT1強調像にて低信号、T2強調像にて低信号と高信号が混在していた。切開生検を実施し、病理組織学的に胃癌の大腿直筋転移と診断された。全身検索では異常所見はなく、孤立性骨格筋転移と判断し、腫瘍切除術を行った。術後は右大腿部痛が改善し、経過良好にて術後16日目に退院となった。その後、術後化学療法としてPaclitaxel(PTX)+Trastuzumab療法を開始するも術後2ヵ月で局所再発、骨盤内多発リンパ節転移を認めた、Irinotecan(IRI)療法を4コース施行したが、performance stausの著しい低下を認め、本人の希望により緩和ケアとなり、術後14ヵ月後に死亡となった。
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