発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017343467
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50歳代男性。胃癌に対し胃全摘術とD2郭清術を施行した既往があった。今回、右臀部から右大腿部の違和感と腫脹があり、徐々に増悪して、痛みを伴うようになっため受診となった。所見では右臀部から右大腿部内側~後面を中心に圧痛を伴う広範囲の腫脹と硬化が認められた。CTおよびPET所見を踏まえて、軟部腫瘍を疑い、筋生検を行なったところ、線維性組織には異型細胞が孤立、散在していた。異形細胞はhyperchromaticで不整な核を有し、ところどころに印環細胞癌がみられた。これらの細胞は胃癌手術時の標本と酷似していた。以上より、胃癌の右臀部から右大腿部にかけての孤立性骨格筋肉転移と診断された。S-1による化学療法を開始したところ、副作用もなく、症状は軽快しつつあり、継続治療の予定であったが、本人の都合で他院に転院となった。
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