発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234147
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74歳男。患者は胃癌の診断で幽門側切除とリンパ節郭清が施行された。術後は補助化学療法が行なわれたが、grade 1の下痢・食欲不振を認め中止とした。その後、CTで傍大動脈リンパ節に再発を認め、paclitaxel/TS-1療法が導入されたが奏功せず、CPT-11/TS-1療法を2クール施行したところ、同リンパ節の著明な縮小を認めた。更にTS-1単独療法を4クール追加されたが、肝転移と右大臀筋内腫瘍が指摘され、CDDP/TS-1療法を施行するも奏功せず、あわせて右下肢痛の出現と増悪を認めた。そのため、腫瘍を切除したところ、病理所見では筋層内に浸潤増殖して不規則な腺管を形成する類円形の癌細胞がみられ、胃癌からの骨格筋転移であった。以後、右下肢痛は消失し退院となったものの、PETで多発性肺転移、縦隔リンパ節転移等が確認され、最終的に患者は死亡となった。尚、胃癌の骨格筋転移の報告は検索した限り30例で認められ、近年は増加傾向にある。
©Nankodo Co., Ltd., 2009