発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017342241
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69歳女。人工肛門脱出を主訴とした。S状結腸癌にて開腹高位前方切除術と双孔式人工肛門造設が行われたが、S状結腸癌再発で疼痛コントロールを行っていた。受診時には人工肛門より約15cm脱出した腸管と、その先端にパウチの機械的刺激による炎症を認め、腹部CT所見では大動脈周囲に一塊となった巨大な腫瘤を認めた。腹腔内腫瘍の増大で腹腔内圧が上昇したことが人工肛門脱出の原因と考えられ、用手的還納が不可能で人工肛門管理が困難なことから手術的治療が必要と判断した。根治性と侵襲性を考慮して自動縫合器による手術を選択し、長軸方向の切離は電気メス、短軸方向の切離はcurved cutterを用いて非開腹下での局所的修復術を行い、術後6ヵ月経過現在も担癌生存中である。本術式は簡便で術後短期間の退院が可能であり、本症例では電気メスを使うことで自動縫合器の使用を2本に抑えることができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017