発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011111344
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大腸癌4例に対し、単孔式腹腔鏡を用いた人工肛門造設術を施行した。3例は臍下部(左側)に人工肛門を造設し、S状結腸を用いた。残り1例は臍下部の皮膚の浮腫が著明で、人工肛門造設部位を臍上部(右側)に造設し、横行結腸を用いた。手術時間は80~110分、出血量は5~15mlで、術中合併症は認めなかった。経口摂取の開始時期は術後2~3日で、術後合併症は認めなかった。Best supportive careとなった症例はなく、術後に予定した大腸癌に対する治療開始時期は術後14~21日で、治療内容は化学放射線療法2例、ポート植込みによる静注化学療法2例であった。単孔式腹腔鏡を用いた人工肛門造設術は簡便な機器を用いた低侵襲な手術であり、化学療法や放射線療法を早期に開始できる有用な術式であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011