発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017288220
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症例は84歳女性で、下腹部痛で受診し、腸閉塞の診断で入院した。腹部CT検査で小腸の閉塞起点を認め、癒着性腸閉塞と診断した。原因不明の血小板減少がみられたため、緊急手術を見送り、イレウス管を挿入し、直後に1lの排液がみられた。第2病日目には腹痛は改善し、イレウス管からの排液は減少した。血小板減少もエチレンジアミン四酢酸(EDTA)凝集によるものと判明した。第3病日目に腹痛の増悪と暗赤色の排液を認めた。下腹部のエコー検査ではターゲットサインを認め、腹部CT検査ではイレウス管が留置されている小腸に腸重積像を認めた。腸重積の診断で緊急手術を施行した。イレウス管が誘因と考え、徒手整復術を行ったが、腸管の血流がわるかったため、小腸切除術を施行した。イレウス管先端より50cm肛門側に小腸の癒着を認め、癒着剥離術を施行し、腸閉塞の原因と考えられた。術後経過は良好で、術後4日目に食事を開始し、術後9日目に退院した。
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