発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015167443
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70歳男性。右下腹部痛を主訴に受診となり、精査にて回盲部での腸重積が疑われた。手術目的で入院後、腹部エコー所見では盲腸内には隆起性病変があり、その周囲に低エコー領域がみられ、横切りでは同心円状の多層構造が認められた。また、腹部CTでは盲腸内腔を占める腫瘤像が確認された。手術を行なったところ、回盲部は硬く一塊の腫瘤としてあり、虫垂と虫垂間膜は同定できなかった。一方、周囲のリンパ節腫脹も認められ、悪性疾患の否定は困難で、右半結腸切除+D2リンパ節郭清が施行された。その結果、切除標本では漿膜面には虫垂は確認できなかったが、盲腸内には内翻する虫垂粘膜が認められ、盲腸内腔には内翻した虫垂が腫瘤様に確認された。尚、病理組織学的には悪性所見は認めず、本症例は特発性虫垂重積と診断、術後経過良好で術後5日目から経口摂取を再開し、術後第16病日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015