発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015285005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
80歳女。嘔吐を主訴とした。腹部X線所見、腹部CT所見より、閉鎖孔ヘルニアによる腸閉塞と診断して開腹手術を行った。術後にイレウス管を継続留置したが、イレウス管抜去後約12時間に大量の胆汁性嘔吐をきたした。上部消化管造影像、消化管造影後CTでは、空腸起始部の拡張像と肛門側腸管のカニ爪様像、同心円状の層状構造を示す腫瘤が認められ、腸重積と診断して開腹手術を行った。術中、初回手術の腸管吻合部から100cm離れた腸管に順行性腸重積を認めたが、腸重積部に癒着はなくHutchinson手技にて整復でき、腸管切除は行わなかった。術後経過は良好で、術後3年以上経過した現在、閉鎖孔ヘルニア・腸重積の再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015