発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014214426
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50歳代男。IgA腎症でステロイド療法を施行したが徐々に腎機能は低下し、腹膜透析(PD)療法を導入した。腹膜平衡試験でhigh transport、中皮細胞面積も増大傾向で、腹膜休息のため1回/週の血液透析(HD)を併用した。腸閉塞を発症して入院した。被嚢性腹膜硬化症(EPS)の前段階と考え、PDは中止し、HDへ変更した。その後、腸閉塞が再発し、絶食、イレウス管挿入により軽快した。8年間のPD歴とこれまで5回の腸閉塞を発症していることよりEPSを疑った。無症状であったが、第13病日の腹部単純X線写真でニボー像を認め、腸閉塞の再発と診断した。炎症反応の亢進を認め、緊急開腹術を施行した。小腸を覆っていた被膜の病理結果より、EPSと診断した。術後第17病日から下血が出現し、クリッピングを施行したが下血が止まらず開腹手術を施行した。術後下血は認めなくなり、術後第41病日に退院となった。
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