発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017233262
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67歳女性。腹痛を主訴に前医を受診、下部消化管内視鏡検査にて下部直腸に腫瘍を指摘され、生検で腺癌と診断されたため、精査加療目的で紹介となった。腫瘍マーカーはCA125が高値を示し、腹部CTでは子宮左背側に石灰化を伴う腫瘤性病変を認め、近傍の肥厚した大腸壁との連続性が示唆された。下部消化管内視鏡では直腸RaからRbに約20mm大のI型腫瘍を認め、組織検査より直腸癌と診断し、腹腔鏡下低位前方切除術を行った。迅速病理検査では直腸癌および腹膜播種、リンパ節転移が考えられたため、肉眼的に完全切除した。病理組織学的に卵巣原発の転移性大腸癌と診断され、術後19日目に軽快退院後、他院の婦人科にて両側付属器切除、子宮全摘術、大網切除術が追加された。病理組織学的に卵巣癌で、術後はPTX+CBDCA療法が行われ、現在無再発生存中である。
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