発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017135895
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73歳男。右鼠径部腫脹を主訴とした。右鼠径部に小児頭大の腫脹と圧痛を認め、血液生化学所見は著明な炎症反応上昇を認めるのみであった。腹部CTの水平断像では右鼠径管内に腹腔内から皮下へ脱出する腸管様の構造物を認め、冠状断像では回盲部より尾側で管腔構造に連続した虫垂に一致する所見であった。虫垂炎を合併した虫垂の鼠径ヘルニア嵌頓(Amyand hernia)、Losanoff分類type 3と診断し、右鼠径部前方アプローチで鼠径管を開放したところ、腹膜炎は限局的で新たに創を追加せず虫垂切除まで施行可能であり、日本ヘルニア分類I-3型と診断してiliopubic tract repair法にて修復した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017