発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017135896
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72歳女。直腸癌術後3年目のCTで肝S8の腫瘤を指摘された。腹部CT所見では肝S8肝表(横隔膜直下)に境界明瞭な14mm大の低吸収性腫瘤が描出され、腫瘤内に一部高吸収域を認めた。腹部MRI所見で腫瘤はT1強調画像で高信号、T2強調画像で低信号を示し、拡散強調画像では拡散低下を認めず、Gd-EOB-DTPA造影肝細胞相では取り込み低下を呈した。腫瘤は脂肪変性した肝細胞癌あるいは横隔膜由来の脂肪肉腫、内部の高吸収域は石灰化と考えられ、経皮的針生検が困難な部位であったことから腹腔鏡下肝部分切除を行ったところ、腫瘤内にステープルを認め、病理組織学的所見よりステープルに伴う異物性の炎症性肉芽腫と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017