発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011288537
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手術を施行した大腸癌症例のうち、術後の病理組織診断でN1/N2、Stage IIIと診断され、根治度A、Bが得られた50例(男性30例、女性20例、年齢66.2±10.7歳)を対象に、リンパ節郭清度の予後因子としての有用性を検討した。その結果、1)予後を予測する上で重要なリンパ節転移個数は腸管傍・中間リンパ節個数は平均17個で、12個未満の症例が10%を占めていた。また、無再発生存期間の中央値は評価したリンパ節が12個未満49.4ヵ月、12個以上49.0ヵ月と同等であったが、今後も評価リンパ節数と予後の関係を検討する必要があると思われた。2)リンパ節転移度のカットオフ値については15%に設定され、無再発生存率に有意差が認められたが、今回の場合、症例数が少なく、郭清リンパ節数が12個未満の症例が含まれ、術後化学療法の施行・内容が一定でないなどの問題点があり、治癒切除を行ったStage III大腸癌症例においてリンパ節転移度を予後因子として結論づけることはできないと思われた。だが、有用な予後因子としてなりうると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011