発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017128014
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67歳男性。右側腹部痛を主訴に消化器内科を受診、大腸内視鏡検査で上行結腸に全周性の高度狭窄を伴う腫瘍を認め、進行上行結腸癌、胆嚢結石症の診断で外科へ紹介となった。大腸内視鏡所見では上行結腸に全周性の腫瘍性病変があり、生検にてgroup 5(腺癌)と診断された。造影CTでは肝結腸曲部の大腸に限局性の壁肥厚があり、周囲脂肪織の網状陰影、小結節を認めた。一方、虫垂は描出されるも腫大や液体貯留はなかった。肝転移や腹水もなかったが、胆嚢内に多数の結石が認められた。以上より、進行上行結腸癌、胆嚢結石症の診断で手術が行われた。結腸右半切除術+D3郭清および胆嚢摘出術を施行した結果、病理組織学的所見では上行結腸の病変は中分化腺癌であった。また多発リンパ節転移が認められ、虫垂には低異型度虫垂粘液産生腫瘍(LAMN)が確認され、胆嚢は慢性胆嚢炎であった。術後、手術部位感染を発症し、入院期間が延長したが、術後第41病日に独歩退院となった。
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