症例
Sister Mary Joseph's Noduleにより発見された膵癌の1例
蒲沢 美代子
1
,
梅澤 裕美
,
宮垣 朝光
,
菅谷 誠
,
佐藤 伸一
1東京大学 皮膚科学教室
キーワード:
Keratins
,
腫瘍多剤併用療法
,
紅斑
,
腫瘍播種
,
膵臓腫瘍
,
腹膜腫瘍
,
免疫組織化学
,
Gemcitabine
,
Sister Mary Joseph結節
,
Nab-Paclitaxel
Keyword:
Albumin-Bound Paclitaxel
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Erythema
,
Immunohistochemistry
,
Keratins
,
Peritoneal Neoplasms
,
Neoplasm Seeding
,
Pancreatic Neoplasms
,
Sister Mary Joseph's Nodule
,
Gemcitabine
pp.377-380
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017200160
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79歳男性。3年前に前立腺癌全摘術の既往があった。今回、3ヵ月前より臍部に出現した紅斑で近医を受診、クロラムフェニコール・フラジオマイシン硫酸塩軟膏を処方されるも改善せず、紹介となった。初診時、臍部に滲出液を伴う紅斑、その左側に軽度圧痛を伴う皮下硬結を認め、病理組織学的に内臓悪性腫瘍の臍転移が疑われた。既往の前立腺癌の再発転移も考えられたが、サイトケラチンの染色パターンが前立腺癌とは異なり、造影CTにて膵尾部癌、腹膜播種が判明した。以上より、Sister Mary Joseph's noduleの原因は膵尾部癌と考え、ゲムシタビン、ナブパクリタキセルによる化学療法を開始したところ、開始約1ヵ月で臍部の紅斑や皮下硬結は消退し、原発巣・腹膜播種巣も縮小傾向になった。
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