発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016139114
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59歳女。精神発達遅滞のため長期療養型施設入所中であった。昼食に杏のドライフルーツを摂取したところ、夕方より腹部膨満が出現した。腹痛、嘔吐を伴うため近医へ入院となったが、翌日になっても症状が改善しないため、当院救急外来へ搬送となった。摂取歴および腹部単純X線・CT所見より、杏のドライフルーツによる食餌性イレウスおよび小腸内嵌頓と診断し、緊急手術を行った。腹腔鏡所見では回腸内に4×3cm大の腫瘤像が認められ、腸管壊死を伴っていなかったため、まずミルキングを試みたが内容物が移動せず、腹腔鏡下に腸管を切開して内容物を摘出した。術後一過性の麻痺性イレウスを呈したが保存的に軽快し、入院前に入所していた療養施設へ転院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016