発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009016678
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75歳女性。患者は朝食後に嘔気・心窩部痛が出現し近医を受診、イレウスを疑われ、著者らの施設へ紹介入院となった。腹部X線・CTにて癒着性イレウスを疑い、イレウス管を留置し保存的治療を開始したが、腹部X線で鏡面像の増加を認めた。再度行った腹部CTでは臍左の小腸内に周囲に気泡を伴うらせん形の低濃度陰影が認められ、腹部症状の改善がみられないため、入院5日目に手術が行なわれた。手術所見では回腸末端より約30cm口側の回腸に腫瘤を認め、腫瘤に切開を加えたところ、未消化でほぼ原型をとどめたシイタケ1枚と小片の併せてシイタケ2個分が確認され、これを摘出した。以上より、本症例はシイタケによる食餌性イレウスと診断され、腸管切開および縫合閉鎖を行ったところ、術後経過は良好であった。尚、その後の問診にて患者は干しシイタケの煮物を丸呑みしたことが判明した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008