発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015390514
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84歳男。発熱、腹痛、会陰部の腫脹・疼痛を主訴に、精査加療目的で当科紹介となった。臨床経過および骨盤CT所見より、異物の直腸穿孔に伴うFournier症候群と診断し、緊急手術を行った。手術は、まず皮下気腫の及んでいない左上腹部で横行結腸人工肛門を造設し、次に陰嚢から陰茎にかけての壊死組織を除去し、皮膚欠損部は縫合した。その後、seton法で各創部にPenroseドレーンを留置した。また、直腸右側の膿瘍内腔には魚骨を認め、これが直腸穿孔の原因であったため、膿瘍形成部位と直腸左側にもドレーンを留置した。ICU入室後は創部の洗浄を継続し、抗生物質の投与を行い、全身状態は改善した。術後8日目に陰圧閉鎖療法(NPWT)を開始し、経過良好にて術後51日目に退院した。退院後194日目に人工肛門閉鎖術を施行したが、創部は完全に治癒していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015