発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015390515
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60歳女。肛門からの出血を自覚し、近医にて肛門腫瘍を指摘され、同日に当科紹介となった。下部消化管内視鏡では肛門管内からRbにかけて全周の腫瘍を認め、病理組織像はgroup5であった。腹部CTでは肛門部から直腸に不整な腫瘤を認め、FDG-PETでは右副腎に異常集積がみられた。以上より、肛門管癌、右副腎腫瘍を考え、術前放射線化学療法を施行後、肛門管癌に対し腹会陰式直腸切断術・D3郭清を行った。術後の精査で右副腎腫瘍は肛門管癌の副腎転移と診断され、術後4ヵ月に腹腔鏡下副腎摘除術を施行した。術後はS-1による化学療法を開始したが、副腎手術12ヵ月後に多発性肺転移、肝転移を認め、FOLFOX、FOLFIRI療法を行うも病変は進行し、副腎手術24ヵ月後に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015