発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015339730
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72歳男。全身倦怠感、食欲不振を主訴とした。原発性小腸癌の診断で当科入院となり、上部消化管内視鏡所見ではTreitz靱帯から約5cmの空腸に腫瘍性病変を認め、腹部CT所見では上部空腸の不整な壁肥厚を認めた。腹腔鏡補助下に手術を行い、明らかな他臓器転移、腹膜播種は認めなかったが、術前CT検査で腸管傍リンパ節の転移が疑われたため、上腸間膜動脈に沿って中間リンパ節まで郭清し、上腹部正中に8cmの小開腹創を置いて標本を摘出した後、直視下に十二指腸と空腸をAlbert-Lembert縫合で端々吻合した。切除標本所見では径95×70mmの全周性2型腫瘍を認め、病理組織学的所見は低分化腺癌、StageIIIaであった。術後約2年経過時点で再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015