発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234151
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25歳女。患者は以前から時々腹痛があったが、数時間で自然軽快していた。今回、この腹痛が持続し、増悪したため、著者らの施設へ紹介となった。所見では下腹部中央に自発痛があり、可動性のある超手挙大の腫瘤が触知された。また、WBCは軽度の上昇と貧血がみられたが、腫瘍マーカーは正常範囲内であった。一方、CTでは左中腹部に腫瘤像があり、その口側腸管の拡張が認められ、拡張した小腸の中に腸間膜が嵌入していた。以上より、本症例は小腸重積と診断され、開腹手術を施行すると、重積先進部の空腸に3cm大の八頭状不整形の硬いI型腫瘍が確認され、悪性が示唆された。そこで、重積の整復後に小腸部分切除、2群リンパ節郭清を施行したところ、病理所見では高分化型腺癌であった。尚、術後は外来化学療法を1年間施行し、再発や転移は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009