発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015285003
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78歳女。意識障害を主訴とした。来院時には高度貧血と消化管出血を疑わせる所見が認められた。上部消化管内視鏡では、胃体上部小彎に辺縁隆起し中心に潰瘍形成を伴う易出血性の粘膜下腫瘍(4cm大)が確認された。また、腹部造影CTでは、胃周囲に多発リンパ節腫脹が認められた。粘膜と潰瘍周辺の組織生検結果と併せて悪性度の高いgastrointestinal stromal tumorもしくは進行胃癌と診断し、リンパ節郭清を伴う胃全摘術を行った。病理組織学的所見では、N/C比のやや高い紡錘形細胞が不規則に配列して異常増生する様とリンパ球の集簇像を認め、免疫組織学的にS-100陽性、α-SMA陰性でKIT陽性細胞は目立たず、CD34陽性細胞はごく少数であったため、神経鞘腫と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015