発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008366265
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83歳女性。患者は腹部不快感を主訴に近医を受診、上部消化管内視鏡にて前庭部後壁の潰瘍性病変を指摘され、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。入院時、腫瘍マーカーでは異常所見は認められなかったが、上部消化管内視鏡・造影検査では胃前庭部後壁から大彎にかけ、中心部に2つの潰瘍面を有した周堤隆起の急峻な潰瘍性病変を認めた。以上より、本症例は2型胃癌と考え、幽門側胃切除術、D1+β郭清、Billroth I法再建術が施行された。その結果、病理組織学的に口側の病変は中分化型の管状腺癌、肛側の病変は充実型の低分化型腺癌であり、腺癌間の胃衝突癌と診断された。術後は合併症はみられず、第11病日目に退院となり、目下は外来にて経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008