発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015167438
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症例1(79歳女性)。嚥下困難と下肢運動障害があり、今回、上腹部を自傷して救急搬送された。病院到着時、上腹部には5cmの刺創がみられ、腹部CTにて外傷性膵損傷の診断にて緊急手術となった。症例2(65歳女性)。帯状疱疹後から下肢運動障害、嚥下障害、排便・排尿障害が出現し、半年間悩んだのち今回、胸腹部を自傷した。病院到着時、ショック状態であり、緊急輸液とアルブミン、輸血で循環動態を安定させ、搬送約45分で緊急手術となった。症例3(66歳女性)。一人暮らしの寂しさから腹部を自傷、救急搬送され病院到着時には腸管脱出と左リストカットが認められた。中心静脈路の確保後に腸管脱出に対しサランラップで固定して搬送約50分後に緊急手術となった。症例4(49歳男性)。統合失調症にて精神病院通院中であったが、今回、家宅侵入で警察が取り押さえたところ、腹部刺創を認め救急搬送された。病院到着時には心窩部に約5cmの刺傷があり、腹部CTでは肝表面とDouglas窩に血性腹水ほか、肝下面の血腫が認められたが活動性の出血はなかった。以後、Triage DOAでベンゾジアゼピン類陽性で意識レベルがやや混濁気味であるものの、バイタルは安定していたためICUで保存的治療を開始した。だが、翌日も出血が持続するため家族の了承を得て開腹術の施行となった。
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