特集 代謝異常症・沈着症
鉛筆刺創部に生じた皮膚石灰沈着症の1例
徳山 道生
1
,
倉繁 祐太
,
太田 多美
,
生駒 憲広
,
馬渕 智生
1東海大学 医学部専門診療学系皮膚科学
キーワード:
刺創
,
超音波診断
,
石灰沈着症
,
皮膚疾患-代謝性
,
皮膚鏡検査
,
皮膚外科
,
事務用品・文房具
Keyword:
Calcinosis
,
Skin Diseases, Metabolic
,
Wounds, Stab
,
Ultrasonography
,
Dermoscopy
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1235-1238
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355245
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74歳女。左環指の皮疹を主訴とした。62年前に左環指に鉛筆芯が刺さり放置していた。1年前に刺創部に一致して黄白色の病変が出現し、徐々に増大した。左環指の遠位指節間関節の橈側面に7mm大の硬い黄白色調の結節を認め、辺縁に淡い灰青色斑を伴っていた。超音波で病変の表層に6×4mm大の類円形の内部不均一な高エコー領域を認め、深部では表層よりも輝度の高い4×3mm大の扁平型の高エコー領域を認めた。いずれの領域も後方エコーの減弱を伴っていた。紡錘形に切開して病変を摘出した。病変は硬い結節で、肉眼的に表層が黄白色調、深部が黒色調を呈する病変であった。病理組織学的に真皮浅層に好酸性の硝子化領域を伴う好塩基性の石灰化を認め、真皮深層に多数の黒色顆粒からなる均一な結節状病変がみられた。以上より、鉛筆刺創部に生じた皮膚石灰沈着症と診断した。
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