胸部・気道損傷の治療
穿通創 肺・気管刺創に対する術式の工夫
田中 明彦
1
,
宮島 正博
,
小濱 卓朗
,
黒田 陽介
,
原田 亮
,
前田 俊之
,
村木 里誌
,
渡辺 祝安
,
松井 俊尚
,
牧瀬 博
1札幌市立札幌病院 呼吸器外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
開胸術
,
胸部外傷
,
血胸
,
自殺未遂
,
刺創
,
肺切除
,
外科用スポンジ
,
緊急手術
Keyword:
Hemothorax
,
Medical Illustration
,
Pneumonectomy
,
Suicide, Attempted
,
Thoracotomy
,
Wounds, Stab
,
Thoracic Injuries
,
Surgical Sponges
pp.1018-1022
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007020971
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胸部刺創により損傷が胸腔内に達したため緊急手術を必要とした7例(男5例、女2例、22~55歳、平均36歳)を経験した。飛び降りて木の枝が胸腔内に刺入した1例を除き、6例は全て包丁による刺創で、自殺企図が6例を占めた。5例は受傷から3時間以内に緊急手術が行われたが、受傷から手術までの時間は1~18時間であった。手術は全例が後方右開胸で行われ、大量の胸腔内洗浄とデブリドマンにより、全例が胸腔内感染を起こさずに治癒した。貫通創が肺の末梢に限局している場合は肺部分切除が可能であるが、出血に対する対策が重要であり、吸引管を工夫してスポンジを併用し自動縫合器にて貫通創を切除した。部分切除範囲はできるだけ小さくし肺機能を温存すべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2006