臨床室
尖刃による手掌中央部の刺創により長母指屈筋腱断裂をきたした1例
片倉 麻衣
1
,
志村 治彦
,
新井 嘉容
,
齋藤 正徳
,
八百 陽介
,
上小鶴 正弘
1財務省印刷局東京病院 整形外科
キーワード:
腱損傷
,
刺創
,
手外傷
,
X線CT
,
縫合法
,
三次元イメージング
,
中手
,
屈筋腱損傷
,
長母指屈筋
Keyword:
Hand Injuries
,
Metacarpus
,
Suture Techniques
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Tendon Injuries
,
Wounds, Stab
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.451-454
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211803
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35歳女。左手掌刺傷、止血困難を主訴とした。左手掌手根管出口部母指球皮線の尺側に尖刃による刺創(約5mm)を認め、創の部位より示指~小指の神経血管腱損傷を疑い、洗浄・皮膚縫合処置を行ったが、受傷4日後に左母指が屈曲しづらいことに気付いた。左母指指節間関節の自動屈曲は不能であり、左手3-D CTでは長母指屈筋腱(FPL)の途絶と遠位断端の蛇行を認めたため、左FPL断裂と診断して腱縫合術を行った。術中、表面の創から橈側に向かって尖刀が貫通した痕跡を認め、3-D CTによる断裂腱の描出部位と手術所見はほぼ一致していた。術後は早期運動療法を行い、術後5ヵ月の患指の%総自動運動域は94%と改善していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013