発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015149834
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71歳女。上腹部に触知する腫瘍を主訴とした。上部消化管内視鏡で胃体下部小彎にbridging foldを伴った粘膜下腫瘍を認めた。飲水造影腹部MDCTでは胃体部小彎に68×66×76mmの胃壁外発育型の粘膜下腫瘍を認め、境界明瞭、辺縁整、内部はほぼ均一に造影され、腫瘍辺縁の一部に高輝度の部分を認めた。良性腫瘍が示唆される所見であったが、有症状で、腫瘍が大きいため悪性腫瘍の可能性を否定できず、胃切除術を施行した。開腹下に幽門側胃切除術およびBillroth I法再建を行い、切除標本は壁外発育性の90×80×60mmの胃粘膜下腫瘍で、割面は黄白色充実性でほぼ均一であったが、一部に脂肪変性を認めた、病理組織所見より胃神経鞘腫と診断された。経過良好で術後第11病日に退院し、術後5年経過の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015