発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015149833
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64歳女。肝硬変による広範な腹壁静脈瘤を有し、胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後3ヵ月目に上腹部痛を主訴に来院し、CTにて潰瘍部の穿孔所見を認め当科紹介となった。上腹部全体に静脈瘤を認めたため、静脈瘤のない臍下、左右側腹部左上腹部にトロカールを留置し、腹腔鏡下に胃体下部前壁の潰瘍穿孔部を縫合閉鎖した。術後一時的に肝機能が悪化したが、新鮮凍結血漿、濃厚赤血球輸液、血小板輸液の投与にて改善し、術後17日目に軽快退院した。退院12ヵ月後の上部消化管内視鏡検査で穿孔部の治癒経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015