ERAS
胃癌手術におけるERAS
窪田 健
1
,
池田 純
,
下村 克己
,
植木 智之
,
名西 健二
,
谷口 史洋
,
塩飽 保博
1京都第一赤十字病院 消化器外科
キーワード:
胃腫瘍
,
開腹術
,
留置カテーテル
,
抗凝固剤
,
絶食
,
クリティカルパス
,
周術期管理
,
胃ゾンデ
Keyword:
Catheters, Indwelling
,
Anticoagulants
,
Fasting
,
Laparotomy
,
Stomach Neoplasms
,
Critical Pathways
,
Perioperative Care
pp.151-155
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015112266
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胃癌手術の周術期管理にERASの概念を導入するにあたり,その過程と新しいクリニカルパスについて概説した.絶飲食期間をなくすため術前補水を採用し,術後1日目から水分摂取を開始した.術前栄養不良例には完全静脈影響(total parenteral nutrition:TPN)ではなく経腸栄養を行うようにした.腹腔鏡手術を積極的に導入した.ドレーンはルーチンには不要と考えるが,留置する場合は閉鎖式吸引ドレーンとした.また,薬物による抗凝固療法を全例に実施するようにした.硬膜外麻酔カテーテルの抜去を1日早めることで膀胱留置カテーテルの抜去も早め,早期離床をうながした.ERASは欧米のエビデンスに基づいて作成されているため,必ずしも日本人に当てはまらない部分もある.今後,日本のエビデンスに基づいた和製ERASの作成がまたれるところである.
©Nankodo Co., Ltd., 2015