発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015062461
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65歳女性。子宮癌肉腫原発の切除後4年8ヵ月間に反復して生じた消化管転移再発に対する治療を報告した。本症例では消化管転移は急激に増大し、腸閉塞と腹部腫瘤を生じ、腫瘤を切除しなければ症状の改善は不可能であり、著者らの施設では第4~7回目の4回の再発巣切除術を施行した。消化管切除再建のためには腹腔内の癒着を丁寧に剥離する必要があり、多期手術のため、その都度手術は難航し、7回の手術で残存小腸は約90cm、大腸は約60cmとなったが、現在栄養状態に全く問題なく日常生活を送っている。一方、本症例では他院での第1回目の再発切除後に有効と報告されているpaclitaxelとcarboplatin投与(TJ法)が施行されたが早期に再発を来し、患者はその後の抗癌薬治療を一切拒否した。手術は腸閉塞解除が目的であり、根治を目的としたわけではなかったが、結果的に最後の手術から4年10ヵ月にわたり無再発性存中である。以上、本症例の臨床的経過からも悪液質に陥り難い腫瘍で、耐術可能と判断できる症例は積極的な再発巣切除がQOLの改善、かつ予後改善に寄与するものと示唆された。
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