発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015062460
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59歳女性。心窩部痛を主訴に前医を受診、腹部造影CTにて胆石および脾動脈瘤を指摘され、著者らの施設へ紹介となった。入院時、腹部造影CTでは胆嚢結石と胃に接して最大径30mm大の壁内血栓を有する脾動脈瘤がみられ、腹部血管造影では脾動脈下極枝に尾側に突出する30mm大の壁内血栓を有する嚢状動脈瘤が認められた。対応としてコイル塞栓術が可能と判断したが、金属コイルによるtranscatheter arterial embolization(TAE)では壁在血栓を有するほか、瘤内packing単独では血栓溶解時にコイルの逸脱や動脈瘤の増大が危惧されたため、瘤の中枢と末梢を同時塞栓するisolation法と瘤内packing法をあわせて施行することになった。その結果、コイルはInterlocking Detachable Coilが使用され、塞栓終了後に造影が行われたが、コイルの逸脱はなく、脾臓への血流はほぼ温存されていた。尚、退院後、胆石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行されたが、TAEから1ヵ月半後の腹部造影CTでは瘤内に血流はなく脾梗塞も認められなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014