直腸癌局所再発に対する治療
直腸癌局所再発に対する重粒子線治療の展開 スペーサー挿入の適応と意義
高橋 慶一
1
,
松本 寛
,
中山 祐次郎
,
高雄 美里
,
河村 英恭
,
中野 大輔
,
大日向 玲紀
,
矢島 和人
,
岩崎 善毅
,
山口 達郎
1がん・感染症センター都立駒込病院 外科
キーワード:
術後合併症
,
腫瘍再発
,
腸間膜
,
腸閉塞
,
直腸腫瘍
,
放射線障害
,
網
,
治療成績
,
補綴関連感染症
,
人工器官と補綴物
,
重粒子線治療
Keyword:
Intestinal Obstruction
,
Mesentery
,
Omentum
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Postoperative Complications
,
Radiation Injuries
,
Rectal Neoplasms
,
Prosthesis-Related Infections
,
Treatment Outcome
,
Prostheses and Implants
,
Heavy Ion Radiotherapy
pp.1502-1508
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017034893
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
切除不能直腸癌局所再発に対する重粒子線治療は,その治療効果の高さから新たな治療戦略として注目されている.しかし,局所再発巣の周囲に腸管が接していたり,浸潤している場合,重粒子線治療を行うと腸管穿孔の危険性が高まる.そこで局所再発巣と腸管の間に一定の距離を保つため,スペーサーの挿入を行う.大網などの自己組織を用いる場合とGore-Texシート(日本ゴアテックス社)のような人工物を挿入する場合がある.術後のイレウス,感染の危険性がやや高く,適応を十分に吟味して,慎重に行うべき手術である.また,人工物を挿入した場合に,長期間時間が経った場合に腸管などに迷入する場合もあり,その抜去を含めて,十分なインフォームド・コンセントのもとに実施すべきである.
©Nankodo Co., Ltd., 2016