発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015022593
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79歳男。Churg-Strauss症候群(CSS)の診断でプレドニゾロン加療中で、16日前より60mg/日に増量していた。腹部単純CTで上腹部に腹腔内遊離ガスを認め、胃あるいは十二指腸潰瘍穿孔の疑いで緊急手術を施行し、回腸に認めた径5mmの穿孔を縫合閉鎖した。術後3日目に留置したドレーンから腸液の流出を認めたため再度緊急手術を施行し、閉鎖した穿孔部位の再度穿孔とその近傍の腸管壁の菲薄化や漿膜面の発赤を認めたため、50cmにわたり回腸を切除した。再手術後はCSSに伴う血管炎による小腸穿孔を疑いメチルプレドニゾロンを投与したが、3日目にサイトメガロウイルス(CMV)アンチゲネミア陽性が判明し、ガンシクロビルを投与した。5日目にミエロペルオキシダーゼ抗好中球細胞質抗体が低下したため、以後プレドニゾロンを漸減し、83日目に軽快退院した。病理組織学的所見ではCMV感染症に伴う潰瘍形成が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014