潰瘍性大腸炎における新たな治療戦略
サイトメガロウイルス腸炎合併
長沼 誠
1
,
松岡 克善
,
日比 紀文
,
緒方 晴彦
1慶応義塾大学 医学部内視鏡センター
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
PCR法
,
サイトメガロウイルス感染症
,
ウイルス抗原
,
腸炎
,
大腸炎-潰瘍性
,
腸粘膜
,
免疫組織化学
,
免疫抑制剤
,
Hematoxylin-Eosin染色
,
組織診
Keyword:
Antigens, Viral
,
Cytomegalovirus Infections
,
Cytomegalovirus
,
Colitis, Ulcerative
,
Enterocolitis
,
Immunosuppressive Agents
,
Immunohistochemistry
,
Intestinal Mucosa
,
Polymerase Chain Reaction
pp.193-197
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2013155526
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サイトメガロウイルス(CMV)感染は潰瘍性大腸炎の難治化に関与していることが知られている.潰瘍性大腸炎におけるCMV感染を論じる際には,CMV再活性化は腸粘膜にCMV感染をきたし腹部症状を呈するCMV腸炎と異なることに注意する必要がある.CMV腸炎を診断するには病理学的封入体の存在,免疫組織学的検査,大腸粘膜PCRなどの方法がある.われわれは過去にCMV antigenemia陽性は大部分は抗ウイルス薬を使用せずに自然に陰性化しており,必ずしも抗ウイルス薬使用が必要にはならないことを報告してきた.近年大腸組織のPCR法がCMV腸炎の診断や治療方針決定に有用であることが報告されているが,より多くの症例を用いた前向き研究による検討が必要であると考えられる.
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