発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013133392
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45歳男。検診で白血球増加を指摘され受診した。白血球数の著増、骨髄球や後骨髄球を認め、好塩基球および有核細胞数の増加を認めた。骨髄球系細胞の増加が顕著で、bcr/ablのFISH検査で融合遺伝子を認め、慢性骨髄性白血病と診断した。イマチニブで治療を開始し1ヵ月後には血液学的寛解に至ったが、5ヵ月目に白血球数が増加し、骨髄芽球を47.2%認め、LDHも高値を認めた。骨髄検査では骨髄芽球52.9%を認め、表面マーカはCD13、CD33、CD38が陽性で、慢性骨髄性白血病(CML)のmyeloid crisisと診断された。ABL遺伝子の遺伝子検査では、リン酸化酵素ドメインに変異は見つからなかった。dasatinib併用の化学療法を行ったところ、寛解に至った。第二慢性期となりdasatinibによる治療を継続した。2ヵ月目に腹部症状を伴わない発熱を認めた。精査の結果、大腸内視鏡で上行結腸からS状結腸にかけて小びらんが多発しており、同部位からの生検で封入体を認め、CMV免疫染色が陽性であったことからCMV腸炎と診断し、ガンシクロビルを投与した。その後は解熱し、1ヵ月後にはびらんは改善した。
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