臨床と研究
痔核手術における硬い便が術後出血に及ぼす影響
矢野 孝明
1
,
浅野 道雄
,
尾田 典隆
,
田中 荘一
,
川上 和彦
,
松田 保秀
1ヤノ肛門外科クリニック
キーワード:
危険因子
,
痔核
,
糞便
,
ロジスティックモデル
,
出血-術後
,
後向き研究
,
痔核切除
Keyword:
Feces
,
Hemorrhoids
,
Risk Factors
,
Retrospective Studies
,
Logistic Models
,
Postoperative Hemorrhage
,
Hemorrhoidectomy
pp.769-773
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367330
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痔核に対し痔核切除術(LE)を施行し、術後出血を生じた45例(A群)および生じなかった1402例(B群)を対象として便性状および術後出血について検討した。なお、術後出血の定義は"LEを受けた後に止血術を行った症例"とした。自己記入式の用紙を患者に配布し、術後から5日間にわたり便の評価を記録させ、Bristol scale index(BI)を目安として評価記録より平均的な便の硬さ(5日間のBI合計値/排便回数)、最も軟らかい便(BI最大値)、最も硬い便(BI最小値)を算出した。A・B群間で年齢、性別、痔核の程度、切除した痔核数、抗凝固・血小板薬の使用、BIの値について、単変量解析および多変量ロジスティック解析を行った。その結果、性別(男性)とBIの最小値が術後出血の有意なリスク因子として抽出された。以上より、男性で便が硬いほど術後出血が生じ易いことが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014