発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008236661
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30歳女。左乳房の腫大を主訴とした。マンモグラフィ所見で左乳房全体を占めるような腫瘤陰影を認め、内部に島状の透亮像を認めた。MRIのT1強調像では境界明瞭な腫瘤中に高信号の脂肪成分と低信号の乳腺組織がモザイク状に存在し、T2強調像では水分に富む乳腺組織が高信号に認められた。脂肪抑制像では乳腺組織が高信号の島状部分として描出された。なお、正常乳腺は尾側に圧排されていた。左乳腺の過誤腫と診断して腫瘤摘出術を施行し、境界明瞭な腫瘤を周囲線維性結合組織と共に剥離切除した。病理組織学的所見で腫瘤は大部分が脂肪組織で、この中に異型のない乳腺組織、乳腺間質組織がみられたことから、乳腺過誤腫と診断した。術後経過は良好で、術後3年経過しているが再発は認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008