発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014298170
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41歳男。右下腹部痛を主訴とした。受診時の血液所見では軽度の炎症反応以外に特記すべき異常所見はなく、腹部造影CTでは上行結腸外側の脂肪層に、上行結腸を圧排する比較的境界明瞭な淡い濃度上昇を認めたが、壁肥厚や明らかな渦巻きサインは認めなかった。特徴的な画像所見などより、大網捻転症と診断して腹腔鏡下大網腫瘤摘出術を行い、摘出標本所見では大網捻転による血腫あるいは壊死組織と考えられ、病理組織学的所見は脂肪細胞の配列は保たれるが、核は消失しており、壊死所見として矛盾しない像であった。本症例では明らかな器質的原因を認めなかったため、特発性大網捻転症と診断し、術後は合併症なく軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014